「うわ、やだっ! なに? 漏らした! きたなっ」
「ちょっとー(笑) 制服のズボンびしょびしょじゃん、
なに急に黙ってお漏らししてんのよ。 なんかいえよ」
「もしかして、言うの恥ずかしかったの?よちよち」
「罰としてこのままこちょこちょ続行ね~」
「あーーはっははっはははははっ!!!もうやめでぐだざいーーはっははっはははははっ!ごべんなざいーーははっははははっはははっ!!」
私はただその様子をどうすることもできず、茫然と見ていました。
あの真面目でカッコいい真壁くんが、私を助けてにきてくれたのに、いま、私の目の前でこちょこちょされてお漏らししてる――。その現実をどう解釈したらいいのか、わからずにいました。
(どんなにくすぐったいからって…お漏らしまでしなくても….我慢できなかったのかな、恥ずかしい….)
私はほんの少しでもそう思ってしまった自分を呪いたくなりました。私のせいでこうなってるのに。私でも、ここまで彼女たちにくすぐられたことはありません。きっと我慢できないほどくすぐったかったのでしょう。
それに一番恥ずかしいのは本人です。
男子なのに、女の子にこちょこちょされてお漏らしさせられるなんて…。真面目で正義感の強い真壁くんには、耐えられない屈辱だろうと思いました。
すると桃ちゃんが、さっきの仕返しとばかり意地悪な笑みをうかべながら、余裕たっぷりに真壁くんを見下ろしながらいいました。
「ふふ、どう? 真壁くん。
少しは反省できたかな?」
「あーーははっははははははははっ!! 反省じまじだっ!ごめんなざいーーははっはっははっははっ!
もうくすぐらないでーーはっはっはっはっはははははっ!!」
彼は、びしょびしょのパンツとズボンを履いたまま、まだしつこく脇の下をこちょこちょされ、脇腹をもみもみされ、足の裏をかりかりされ、太ももをモミモミされ、おしりをこちょこちょされ、ゲラゲラと笑わされつづけていました。
「真壁くんの恥ずかしいお漏らし姿、ばっちり動画に撮ったからね?
私たちに逆らったら…わかってるよねえ」
そう、桃ちゃんは真壁くんが無様に笑いながらパンツにおしっこを漏らす姿を、ばっちりスマホで撮影していたのです。女の子にこちょこちょされながらお漏らしする姿…こんな動画の存在が人に知られたら…男の子ならもう恥ずかしくて学校に来れないでしょう。
「それじゃあ、あらためて。
反省の言葉をいってもらおうかな。」
『僕は女の子にこちょこちょされて、泣きながらお漏らししてしまいました。
これも、桃さまに逆らってカッコつけた罰なので当然です。
これからは絶対に桃さまには逆らいません』
って言ってもらおうかなー?(笑)」
男の子には泣きたくなるほど屈辱的で恥ずかしい降伏宣言。
今までの真壁くんが大事にしていた正義感やプライドを、容赦なく折る罰でした。
桃ちゃん「10秒以内にいわないと時間切れね。
罰としてあと2時間こちょこちょしてあげる。
ほーら、10…9….8…」
「言いまずっ、言うがらーーはっははっははははっははははっ!! 言うがらやめでーーははっはははっ!! 数えるのやめでーーはっははっははははっ!!」
「あはっははは、ぼ、僕は女の子にこちょこちょざれでっーはっはっははははっお、
お漏らしじまじだーーははっははっはっはははっ!!ごめんなざいーーはははっはっ!
カッコつけでごめんなざいーーははっはははっはっ!!」
「….なんか違うくない?(笑) ちゃんと聞けよ、もう1回ね」
こうして真壁くんは、スマホのカメラの前で、死ぬほどカッコ悪い反省の言葉をいわされてしまいました。もちろん、こちょこちょで無様に笑わされながら。
相変わらず、桃ちゃんたちは意地悪の天才です。
この学校にいるかぎり、桃ちゃんたちに逆らうことはできません。それは男子でも…真壁くんでも同じなのでした。