鷲田警部のくすぐり尋問~カッコつけ暴走族男子への制裁

「どうだ? 仲間の名前を言う気になったか?」
鷲田警部は咥えたタバコをふかしながらそういった。

時代は80年代
まだ少年法が施行される前のこと。
社会的に暴走族が流行し問題になったあの時代。

暴走族は仲間意識が強く、犯罪行為をしても互いを庇いあい
決して仲間の名前を吐かないため、捜査はいつも難航した。

まだ手荒な調査が許されていた時代。
川崎のとある警察の少年課にベテランの刑事がいた。
彼の尋問にかかれば、どんなに生意気な青年も反省の態度を示し、仲間の名前を売りすべてを白状するという。

それが鷲田警部だった。

「小僧、おまえが急流暴走団の副リーダーやってんのは知ってんだ、
 こないだの川崎の抗争の中心メンバーだったこともな」

「け…っ、知るかよ…っ」

殺風景で、デスクと椅子以外の何もない取調室。
その中には、鷲田警部と岩剛という少年、そして書記官を務める部下の20代女性の婦警しかいなかった。

「ふん、その格好で強がるか…
 いいざまじゃねえか、桐生よ」

少年は取調べにあたり、刑務官たちに衣服を剥かれ、全裸にされたうえ、取調べ室のコンクリートの壁に取り付けられた拘束具にX字に手足を広げる格好で、両手と両足を縛られていた。

今ではありえないことだ。
取調べでこんなことをしたら、人権侵害ですぐに問題になり解雇されるだろう。
だが、当時は正義のために多少手荒なことは許されていた。

「喧嘩っ早やさだけは一丁前だが….
 股にブラ下げてるモノはまだまだお子様だなぁ?」

「急流暴走族の副リーダーってのは、
 こんなお子様おちんちんでもなれんのか?
 
 小学生みたいな粗末なもんしか持ってねーガキが、
 普段どんな顔して偉ぶってやがんだ?」

書記官の女性刑務官がクスリと笑った。

少年の顔が僅かに歪んで赤らんだ。
いくら強がって非行や喧嘩にあけくれる少年とはいえ、年頃の男の子だ。プライドの象徴でもあるアソコを正面からバカにされるのは屈辱なようだった。

だが、仮にも50人のメンバーを率いる暴走族の副リーダー。
羞恥心などはおくびにも顔を出さないように努めた。

「ぺ…っ」

少年は床に唾を吐き捨てた。

「わりーけど、俺はおっさんよりは全然女にモテるぜ 
 どうせおっさんなんて、女もいねーで毎日家でオナるしかねーんだろ」

「何のためかしんねーけど、
 脱がしたくらいで大人しくなると思ったのかよ?
 暴走族もナメられたもんだぜ」

少年は鷲田警部を挑発した。

書記官がまたクスっと笑った。
今度は「あーあ、怒らせちゃった。バカねえ」という笑いだ。

「もちろん脱がしたのは意味がある
 どうしても仲間を吐かねえなら….
 ちょっくら恥ずかしい目にあってもらおう」

「…あ? 何言ってやがんだ…」

「ふふ、桐生。
 君はこちょこちょは苦手かね?」

鷲田警部は口の端をわずかに持ち上げ、不敵に笑った。

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30分後

「ぎゃーーはっはっはっはっははっははっははっ、やめろっやめろーーはっはっはっははっははっははっはっ」

少年の元気な笑い声は廊下中にまで響き渡っていた。

防音であるはずの取調室から、廊下にまで笑い声が漏れ聞こえる。これは相当なことだった。よほどなりふり構わずに大声で笑っているのだろう。

その声は事務室にも漏れ聞こえていたが、同僚の警官たちは誰も反応しなかった。
いつものことだからだ。

そう、これは日常の光景だった。
鷲田警部は生意気な暴走族の不良少年を脱がして縛り付け、こちょこちょでお仕置きする。

「おいおい、どうした?
 まだ30分しか経ってないぜ?
 根性見せろよ、桐生」

鷲田警部はタバコを口に咥えたまま、ダルそうに少年の腋の下をこちょこちょし続けた。
その効果は抜群だった。

「あっはっははあっはっはっはっはっはははっはっ、やめろぉぉっ、やめでっ、はーーはっはっはっはっははっはっはっ」

少年は取調室のコンクリートの壁に背中をぴったりつけたまま、両手を左右に目一杯ひろげ、天井からチェーンで伸ばされた手枷に両手を拘束されていた。両足も肩幅より広げた格好で、床の足枷にとりつけられていた。

強制的に両手をバンザイさせられ、身体をわずかに左右にくねらせる程度の余裕しかない拘束。

こんな格好で腋の下をくすぐられるのは、イジメのようなものだった。

「ほらほら、今度は脇腹だ」

鷲田警部は、大きな手で少年の脇腹や胸のあたりをがっしり掴むと、こねるように指を揉みこんで少年に悲鳴の声をあげさせた。動けない格好で、脇腹をもまれるのは地獄だった。

「け、中〇生の癖にまあまあ鍛えてんじゃねえか
 いい胸筋してるぜ?」

そういいながら少年の胸をモミモミとくすぐる鷲田警部。
これは敏感な年頃の男の子にはかなりくすぐったい責め方だった。

「腹筋もなかなか立派じゃねえか?
 毎日、一生懸命、鍛えてんのか?」

鷲田警部は、少年の腹筋に指を這わせ、腹筋の筋肉の合間の1つ1つを揉みほぐすように、指をめりこませた。

「ひゃーーーっはっはぁっっはぁっははっははははははっっ!!死ぬっ!!死ぬーーはっっはっはっっはっはっははっはっ!!」

少年はもはやゲラゲラと笑いながら、半泣きになっていた。
目には涙が浮かんでいた。

男として強くなるために、喧嘩で負けないために鍛えあげた腹筋が、ここまでの弱点になってしまう。これがくすぐり刑の恐ろしさだった。

「どうだ?
 こちょこちょの刑はなかなか効くだろう?
 俺もよく小学生のバカ息子をこうやってお仕置きしてんだよ」

「わかったか?
 一生懸命カラダなんか鍛えたって俺ら警察にゃ勝てねーんだ。
 手足縛っちまえば、ただの弱点だからな。
 ほれ、反省したか?」

鷲田警部は、余裕たっぷりに左手でタバコの灰を近くの机の灰皿に落としながら、右手で(面倒くさそうに)少年の腹筋を鷲掴みにし、意地悪なくらい1つ1つをグニグニと揉みほぐした。

少年は笑いながら甲高い悲鳴の声をあげた。

「ぎゃーーはっははぁーーはっははぁーーはっはっっっっ!!! やめでえっっ!!ぞっぞれっ、ぞれっやめっでーーええーーっはっはっはっはっははははははっぁーーはっはっ!」

自らがんばって鍛えあげた腹筋に負けた少年。

なりふり構わず頭を左右に振りまくり、両手や両足をめちゃくちゃにひっぱって暴れた。だが、その程度では鷲田警部の指から逃げることはできない。

代わりに小さなおちんちんを上下左右にピコピコと揺らすことができるだけだった。

―ぷっ..くすっ…

書記官の女性刑務官が我慢できずに、小さく笑って噴き出した。
彼女は静かにそれを誤魔化すように、2・3回の咳払いをした。

無理もなかった。

少年の今の姿―

それは、鷲田警部にまるで媚びるように一生懸命おちんちんを振ってるようにしか見えなかった。

意味不明な絶叫をし、ゲラゲラ笑いながら「やめでっ」「やめでっ」と泣き声を出し、まるで犬がしっぽをふるみたいに、一生懸命、小さなおちんちんをフリフリする少年。

女性が見たら笑ってしまうのも無理はなかった。

「おいおい、どうした?
 子供みてえな粗末なおちんちん、一生懸命フリやがって
 くすぐりが気に入ったのか?」

鷲田警部はそういって小ばかにすると、タバコを灰皿におき、今度は、両手で少年の腹筋をぐにぐにと揉みほぐした。

「ぎゃーーはーーはっはっはっはっははっ!!!やだやだやだーーーはっはっはっははははっはっ!!ひっぐ、むりーーっむりーーはっはっはっはははっっ」

とうとう少年は、気がおかしくなったかのように絶叫して暴れながら、恥も外聞もなく泣き始めた。

その姿は凶悪な暴走行為を繰り返す暴力団の副リーダーというより、ただのデパートでダダをこねる幼稚園の男の子のようだった。

どんなに背伸びしてカッコつけたって、子供は子供。
こちょこちょの刑は、その本当の姿を無慈悲に暴きだすのだった。

「やめでっっ、ひぐっごめんなざいいーーーーはっはっははっはっははっはっははっっ!!ひぐ、 鷲田警部っ、ごめんなざいいいいっ、ひっく、ごめんなざいーーはっはっはっはっはははっ!!」

「おいおい、本当に反省してんのか?」

「はーーはっはっははははっっじでまずっじでまずーーひっぐっひぐっはっはっははっはっっ!!ごべっっんなざいっ!!
調子ごっっいてっごめんなざいーーーはっはーーはっははーーーはぁぁぁぁっははっ!!ひぐっ」

本当に苦しいのだろう。
くすぐったすぎて息ができないのだろう。

鷲田警部にしつこく腹筋のスジをこりこり揉みほぐされ、無理やり笑わされ、無理やり泣き叫ばされ、肺の空気は空っぽになり、ほとんど過呼吸に陥っていた。

「ぞれっぞれもうやべでっぐだざいいいいぉぉぉーーはっははははっはははっっ!!ぞごモミモミずるのやめでーーっはっはっはははっはっはっははははっ」

警部の太い指が、自慢の腹筋にめりこむたび、少年は甲高い声で泣き叫び、「ごめんなさい」を連呼した。

だが、ベテランの鷲田警部は、まだ少年の腹筋をくすぐる手を止めようとしなかった。

思春期の男の子はプライドの塊だ。
他の男より強いと思われたい、大人にナメられたくない、後輩の前で良いカッコしたい、女にモテたい。

とくに不良や暴走族なんてのはメンツやプライドが全てだ。

その自尊心が崩壊しプライドが崩れさった今、徹底的にイジメて辱めることが、少年を教育することに繋がる。ベテランの鷲田警部はよく知っていた。いま徹底的に、プライドをずたずたにへし折ることが大事なのだと。

「ふん、ガキには躾が大事だからな。
 5分間、ワンワンといいながら、ちんちんを必死に上下に振ってみろ
 誠意をみせれば、腹筋モミモミはやめてやる」

暴走族の副リーダーとして大人に反抗し、突っ張り、誰よりカッコつけて生きてきた不良少年には、あまりに絶望的な罰だった。

「はーーはhっはっははhっはっはははおおおおおおんんっっぞっ、ぞんなあああーあーはっはhっははっはっははははっっっ、ぞれは許じでぐだざいーーーはっはhっはっははっはっははははおおおおっ、ぞれだげは許じでぐだざいーーーほっほほほおーーほっほほおおーーっ」

「おい、勝手にしゃべるな」
「次、ワンワン以外の言葉を発したら….。
そうだな、2時間、腹筋だけをこちょこちょして鍛えてやる」

「それ、はじめろ」

少年に選択肢なんてなかった。

本当の大人の意地悪さと残酷さを舐めていた少年の敗北だった。
大人が本気を出せば、少年を2度と歯向かえないよう泣かせることなんて簡単だった。

「ワンワンワンワンワンーーーっぎゃーーはっははははっわんっ
 わんわんわんーーーはっはっははっはっ、ワンわんーーーはっはhっはっははははっ」

少年は、恥も外聞も捨て、犬のようにわんわん鳴きながら必死におちんちんを振り回した。

――ぶぷぷぷっ、くすっ、もうだめっ

必死に肩を震わして、笑うのを我慢していた書記官の婦警。
女性刑務官は声を出して噴出してしまった。

(だって…..っ)

ついさっきまで威勢をきって「俺は女にモテるんだぜ」なんて啖呵をきっていた中学生の少年だ。その同じ少年が、今は鷲田警部にこちょこちょされて、泣きながらワンワンいっておちんちんを振り回してるのだ。

滑稽。

それ以外に当てはまる言葉はなかった。

(…もう、これだから生意気な年頃の男の子ってかわいいのよね…)

もちろん、少年は本当にくすぐったくて苦しいのだろう。
泣くほどくすぐったくて、本当にやめて欲しいのだろう。

だからといって、あんなに大人の前でカッコつけてた少年が、泣きながらワンワンいって必死におちんちんを振ってる姿をみて、笑うのを我慢できる女性はいなかった。

(今日の鷲田さん…すっごく意地悪ね
 いつもここまではしないのに…..
 
 イケメンの男の子に「女いないだろ」って挑発されて
 だからむかついたのかしら?笑)

ようやく深呼吸して笑いを落ち着けた女性刑務官は、ふとそんなことを思った。

「まだ必死さが足りんな。次は
 ゾウさんパオーン、パオーンといいながら、ちんちんを左右に振れ」

「もう許じでーーーはっはっはははははっっ!!ぎゃーーーはっははっはっはははっっ!!
ぼう許じでぐだざいーーーほっほほほほっ!!ひーーっはぁーーはっはっはははっ!!」

少年の泣き声と恥ずかしい鳴き声は、その後、1時間にわたって廊下に響きわたりつづけた