「ああ、もう。手いたーい」
桃ちゃんは今度は、少し芝居がかった可愛い女の子のような甘えた声を出していいました。「やっぱり女の子にビンタは無理ねー。こっちの手まで痛くなっちゃうもの」そういって桃ちゃんは真壁くんの顔を覗き込みます。
「….た、立花さんもうこんなことやめるんだ。今なら僕や芽衣さん、先生にも謝れば、許してもらえる。僕も一緒に謝ってあげてもいい…」桃ちゃんの顔から笑顔が消えました。
無表情のまま、スっと手をあげます。真壁くんはまた桃ちゃんに股間を叩かれると思ったのでしょう。ビクっとして内股でへっぴり腰になってしまいました。その姿に、桃ちゃんはくすくす笑いながらいいました。「ふふ…っ、もう、情けないなぁ笑」
「大丈夫、もう叩いたりはしないわ。 私の大事な手首を痛めたりしたらいやだもん」桃ちゃんは楽しそうに笑いながらいいます。
「もっと楽に男子を懲らしめる方法があるの。真壁くんは….何かわかるかな?」真壁くんは全く見当がつかない様子でした。
「ふふ、教えてあげるね。『こちょこちょの刑』よ、6人がかりで手足を押さえつけてこちょこちょするの」「……っ」
真壁くんの顔に戸惑いの表情が浮かびます。くすぐりという返答が、よほど予想外だったのでしょう。
「逃げられないように、両手と両足の上に1人ずつ跨って、動けないようにして、空いてる手で全身をこちょこちょしてあげるの。身体の隅々までたーっぷりくすぐって笑わせてあげる」
そういうと、桃ちゃんは小悪魔のようにかわいい顔を真壁くんに近づけ、覗き込みながらいった。
あんなにかわいい顔を近づけられたら、男子なら皆、ドキドキするだろうな、私はそう思いました。
「….どう? されてみたい?
それとも今のうちに『ごめんなさい』する?」
真壁くんの顔が屈辱に歪みます。その表情は僅かに紅潮しています。
どうやら彼女のいう『くすぐりの刑』が、想像以上に辛いであろうこと、そして恥ずかしい罰であることが理解できたのでしょう。年頃のプライドの高い男子からすれば、同い年の女の子たちにこちょこちょでイジメられるなんて、耐えられない羞恥に違いありません。
それに6人がかりでくすぐられるのが、どれほどくすぐったいのか。どれほど苦しいのか。想像もできないでしょう。
「….ぐっ…」
しかし正義感が強く、間違ったことが大嫌いで、いつも正直に生きてきた真壁くん。ここで、いじめっ子の桃ちゃんたちに屈するなんて、絶対にできないことだったに違いありません。
追い打ちをかけるように桃ちゃんがいいます。
「ふふ、そうだなぁ
自分でパンツを脱いで、おちんちん見せながら『ごめんなさい。もう2度と逆らいません』って言えたら、こちょこちょの刑は勘弁してあげる。くすくす、どっちがいいかなぁ?」
桃ちゃんは、その絶対的にかわいさに自信のある顔を、真壁くんと鼻がくっつくほどの距離まで近づけながら、そういいました。
聞いてる方が恥ずかしくなるような屈辱的な要求。そんなこと、年頃の男の子ができるはずがありません。性的なことに免疫のなさそうな、真面目な真壁くんならなおさらです。真壁くんの顔はみるみる真っ赤になりました。取り巻きの女の子たちも皆、くすくすと嘲笑しています。
「…そ、そんなことっ….するわけがないだろっ!
,,,,謝る立場なのはおまえたちだぞっ!」
真壁くんは、桃ちゃんを精一杯にらみつけてそういいました。
「おまえたちに何されようと…、俺は謝ったりしない。イジメの件は先生に報告する。それだけだ!」
桃ちゃんはくすくす笑っていいました。
「もう、強がっちゃって。仕方ないなぁ。じゃあ、『ごめんなさい』したくなるまで、こちょこちょの刑にしてあげるね」
そして真壁くんの耳元に顔を近づけて、優しく囁くようにいいました。
「もしくすぐりに我慢できずに『ごめんなさい』したら、罰としてパンツ脱がすからね? おちんちん見られたくなかったら、必死に我慢しなさい?」
桃ちゃんは生粋のいじめっ子で、悪魔で、ドSでした。
どうすれば、同い年の男の子を辱めることができるか、精神的に追い込むことができるか、それを熟知しているようでした。真壁くんは顔を真っ赤にしながら歯を食いしばりました。
「それじゃあ、皆、はじめちゃって」