「……….はい、お母さん。なんでしょう」
私は母の部屋に行くと、
母はカウチの上に腰かけて眼鏡をかけ、ワインを飲みながら、難しそうな洋書を読んでいました。
「….奈美さん、あなた…..、
お仕置き中の京太さんに、パンツを勝手に履かせたんですって?」
母はこちらを向くこともなく、本に目を落としたまま、まるで独り言のようにそういいました。
私「…….はい。かわいそうだったので。
….あのさぁ、前にも言ったけど。
お兄ちゃんはもう高校生だから。丸出しはかわいそうだって。ママ。」
私と母は、兄に比べるといくらかフランクな関係です。
私は母を諭すようにそういいました。
母はしばらく沈黙したあと、こういいました。
母「今から戻って…京太さんの下着をもう1度、脱がせてきなさい」
私は耳を疑いました。
私「…..はぁ?」
母「あなたがやったことなんだから。
もう1度、元に戻してきなさい、と言ってるんです。意味はわかるでしょう?」
私は怒りました。
私「だから….言ってるじゃないですか….!
丸出しはかわいそうだって! 私は絶対やらないからね!
….もう部屋、戻っていいですか?」
すると、母は少しだけこちらに目を向けて、静かにいいました。
母「いいですけど….。
それなら、奈美さん。あなたの来月のお小遣いはなし…ですよ?」
私は思わず歯ぎしりしました。
裕福な私の家庭では、私はいつも月10万円のお小遣いをもらっていました。
中学生にとってはかなりの大金です。
私はいつもお小遣いを使って、友達に新作の服を自慢したり、高い化粧品を買いあさっていました。
「たかがお小遣い」
そう思うかもしれませんが、中学生の女の子にとって
1カ月のお小遣い無しは、死刑宣告のようなものです。
私「………わかりました。….ごめんなさい」
私はあっさりとお金の誘惑に負けました。
私「戻って….もう1度、兄のパンツを降ろしてくればいいのね?」
すると母は、本をパタンと閉じて私の方を向き、こういいました。
母「それだけじゃ足りません。
今からあなたに言うことをそのまま、京太さんに実行してきてください。いいですね?」