美紀はおへそをくすぐる手を止めた。
「あは、もう顔がぐっちゃぐちゃだね」
たしかに、由里の顔はもう涙とヨダレと汗でべチョべチョだった。普段のクールで知的な美人の面影はもうどこにもなかった。 また、残酷にも手を縛られてるので、涙やヨダレを拭くことすら許されなかった。 負けず嫌いで今まで人前で泣いたこともない由里だったが、この状態では情けない顔を、年下の女に晒し続けるしかなかった。
「ねえ、実は由里ちゃん、わたし今日ね、お友達呼んでるんだよね」
「そろそろ来るはずなんだけど、いいよね?」
由里は真っ青になった。 幼馴染の美紀でさえ、この痴態を晒すのは耐えられない恥ずかしさだった。 なのに、垢の他人、しかも、年下で、同性の女の子が来ると言うのだ。
はしたないパンツとブラの下着姿で、縛りつけられ、顔がグッチャグチャになってるのを見られるのだ。
「いや、嫌だ、美紀ちゃん、ほどいて、お願い」
「だーめ♪ あ、携帯に着信だ、もう来たみたいw」
美紀はパタパタと玄関に走って行った。そして、同級生の女の子2人を連れて戻ってきた。
「お待たせー、ちょっと電車混んじゃってて大変だったんだよねー」
「遅いよー、待ちきれなくてもう始めちゃってるからねw」
「ひどーい、待ってくれてもよくなーい?」
1人のギャルっぽい女の子が、床に下着姿で転がってる由里の顔を覗きこんだ。
「ふーん、この子が美紀ちゃんの言ってた、オモチャにできる子?」
「そうだよー、美人さんでしょー」
「うん、てゆーかどう見ても年上じゃんw、このお姉さんどうしたの? 私てっきりまた後輩イジメるのかと思ってた」
「うふ、いとこなんだよー、 やっぱ私に似て美人でしょ?w」
「へえ、美紀ってほんと残酷だよねーw」